『延べ人数』!これはニュースなどでよく耳にしますが、人数を数える時によく使われる言語です。
「延べ人数って具体的にはどんな意味なんだ?」「そもそも延べって何なの?」と思った事、ありませんか?
今回はそんな貴方の為に、『延べ人数とは何なのか』、『実人数や約とどう違うのか』を解説していきたいと思います。
ニュースで見ていても意味の分からない言葉って気持ち悪いですし、ここでどんな意味なのか把握してすっきりしちゃいましょう!!
それでは早速参ります!!
延べ人数の意味と実人数との違いとは?
延べ人数は人数計算などの総計に使われる
極端な例ですが、二日間のイベントを開いたとして、一日目も二日目も同じ人100人の観客が参加したとします。
この場合、実際にイベントに訪れた人数の合計は100人ですが、延べ人数の場合、『実際に訪れた人数の合計』ではなく、『二日間に訪れた人数の合計(総計)』を指します。
この為上の例の場合は200人が正しい延べ人数であると言えます。
指定された日数の分、重複した人数もそのまま数えるもの、と覚えると解りやすいかもしれません。
実人数と延べ人数の関係性
『実人数』は延べ人数の対義語になります。
これは、上の例でいうなら、『実際に訪れた人数の合計』を示すもので、重複せずに計算される為、同じ人は二日目以降数に入りません。
つまり、実人数は100人ということになります。
延べと約の違い
延べと約とは違うものなのだろうか?
数字を表す言葉として、延べ以上によく使われるもので『約』という言葉があります。
これは「おおまかに」「おおよそ」といった意味合いの言葉で、半端な数字などをキリのいい数字で表現したり、はっきりとしない、曖昧な数字をキリよく表現するのに使います。
延べとは、重複するものも含めての総計の事を指しますので、二つの言葉は全く意味が異なるものとして考えましょう。
意味そのものが違いますが対義語という訳ではない為、『延べ人数は約200人』といった使い方もできます。上手く使いこなしましょう!
延べ人数の使い方は?
延べ人数の使い方ですが、これは主に『こんなに沢山お客さんがきてくれたよ!』とアピールするのに使う言葉です。
この為、遊園地やイベント会場などで、来場者数を発表する際によく使われます。
実人員と違い、額面の数字がとにかく大きく見える為、実数以上に人気や評判などが大きく伝わりやすいのが強みです。
人数を少なく見せたい時には不向き
逆に、人数を抑えめに発表したい場合には、延べ人数はあまり向いていません。
できるだけ数字を小さく見せたい場合は、延べ人数ではなく実人員を使うようにすると良いでしょう。
実人員は正確な人数を示す数字の為、情報として数字を正確に伝えたい場合などにも役に立ちます。
色んな延べの使われ方
面積を表す場合の延べ
例えば建物の床面積を調べた際に、『延べ200平方メートル』と紹介されていたとします。
この場合は、延べという言葉が付いていても重複する訳ではなく、単純に『全部の床面積で』という意味で考えるといいとされています。
延べの意味は『総計』ではありますが、重複部分が存在しなければ『合計』と考えても差し支えないのです。
時間を数えた場合の延べ
飛行機や電車、車での長距離移動の際に、その移動に費やした時間などを数えて『延べ〇時間』と書く事もありますが、これは『その期間中移動に費やした全ての時間の合計』と考えると解りやすいと思います。
例えば車で移動し、合間に休憩時間を挟んだ場合、休憩までの連続しての移動時間が1時間でも、休憩後1時間運転すれば、延べ2時間の運転時間となります。
飛行機などで、『延べ100時間のフライト』となっていれば、連続してフライトし続けた時間ではなく、一定の時間内全てのフライとした時間がこれにあたる訳です。
現場作業などに使われる日延べ
これはここまでの延べの意味とは異なるのですが、よく使われる言葉ですので一緒に紹介したいと思います。
『日延べ』とは、ある物事を延期する際、あるいは延長したい際に使われる言葉です。
例えば道路工事などで、雨が降ってしまってその日に作業できない、延期するしかない、といった際に『雨が降ったので日延べになった』などと使われます。
また、同じように道路工事でも、今のままでは工期が間に合わない、工期を延長するしかない、といった場面でも、『日延べにする』と使います。
こちらは延長の意味合いであって、延期の意味合いではありません。
それ単体では延期とも延長ともとれる意味の為、文の前後をちゃんと読んで、間違えないようにしましょうね。
気を付けた方が良い『延べ』の使われ方
『延べ』は主に新聞やニュースなど、情報を扱う場面で使われる事の多い言葉ですが、時には気を付けなくてはいけない場面もあります。
それは、『延べは印象操作に使われやすい言葉である』という事。
上の方の見出しでも紹介した通り、延べ数で発表する事で、読む人に実数よりも沢山の数の印象を、与える事が出来てしまいます。
それがいいニュースに対してならいいのですが、時として情報を伝えたい側が、その情報をより強いメッセージとして表現したい場合に、延べという言葉を使う事があるのです。
例えば何かを批判したい時に、Aという場所に抗議に訪れた実際の人数が10人いて、同じ10人で10日間抗議を繰り返されたとします。
この場合、何日かけようとも、実人員で10人しか抗議に参加していませんが、延べ人数で発表されれば抗議した人数は100人になります。
お判りでしょうか?
そう、『延べ』という言葉は、使い方によっては人数を都合よくかさ増ししたように見せる為の、数字のトリックとして使えてしまうのです。
当然、Aという場所に対し批判的な記事を書きたい人なら、延べ人数を使って「この場所に延べ100人も抗議の人が集まった!」と書く事でしょう。
知らない人なら「そんなに沢山抗議に訪れたのか」と、Aに100人も訪れたのだと思い込んでしまうでしょう。
このような使われ方をされる事もあるので、『延べ人数で』という言葉が出た場合は注意深く聞くと良いでしょう。
まとめ
確かに耳にするけれど、意味はよく解らない言葉。
延べ人数というのは、筆者にとってそんな存在でした。
ニュースなどで聞くと「ほーそんなに来てるのか」と思ったりしていましたが、まさか実際の人数とは違う計算だったとは。
意外とこういう事って、多いんじゃないでしょうか。よく解らないけどよく使われている言葉。
そして、知らないままだと、知らず知らずのうちに印象操作されていたり……怖い!とにかく、知る事ってとても大切だと思います。
『延べ』も、使い方さえわかればとても便利な言葉ですので、言葉に乗せられるのではなく、上手く活用して役立てていきましょう。
これでもう、延べの意味で悩む事はありませんね!!
「ご周知ください」ってどんな意味?正しい使い方と例文をご紹介
普段は使わないけど、社会に出るとたまに聞く言葉って色々ありますよね。 『お含みおきください』『忌憚のない』など、日常会話ではあまり使われる事はないんですが、ビジネス文書や会議の場では使われていて、調べ ...
続きを見る