歌やエッセイなどで、
『アイデンティティ』という言葉を
目にした事はありませんか?
一時期はテレビなどでも
よく取り上げられた言葉なのですが、
「これってなんなんだろう?」と
思った事はないでしょうか。
今回はそんな貴方の為に、
『アイデンティティ』という言葉の
意味や使い方などを紹介していきたいと思います。
何気なく聞いている言葉ではありますが、
人の生き方にも関係する、
実に味わい深い言葉ですので、
是非覚えていってくださいね。
それでは、早速参りましょう!!
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アイデンティティを直訳すると?
☆直訳ではその人を示す意味合いになる☆
アイデンティティを日本語で直訳すると、
『正体』や『身元』といった意味になります。
主には人に向け使う言葉で、
その人固有の何がしかの情報などが
この言葉でまとめられます。
☆アイデンティティの意味とは☆
主にはアイデンティティとは、
『自己を確立する要素』の事を指します。
例えば個人を示す名前やあだ名、
所属する組織や地域、時には自身の性質や主義、
夢や願望などもこれに該当します。
これがある事で
自分を自分として認識できる何かしらの特徴、
と言い表す事もできますが、必ずしも
それが完全なオリジナルである必要はなく、
例えば他の人と共通している要素であっても、
それが本人にとって
自分を示す要素であると思っているなら、
それは立派なアイデンティティであると言えます。
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アイデンティティの意味は使い方によって変わる?
☆アイデンティティの使い方は他にもある☆
上の見出しでは、
アイデンティティとは『自己を確立する要素』
であると紹介しましたが、
これはあくまで基本的な意味合いであって、
使い方によってもその意味合いは異なってきます。
ここでは、
その例をいくつか紹介していきたいと思います。
☆心理学的・社会学的な意味でのアイデンティティ☆
心理学的・社会学的な意味での
アイデンティティとは、
『自己同一性』という意味合いがあります。
これは
『自分が何者なのか
他者と区別する為の概念や信念、品質や表現』
の事を指します。
人は成長過程、主に青年期などに初めて、
「自分は一体何者なんだろう?」
「自分はどんな人生を歩むのだろう?」
「自分は何故生きているのだろう?」
などの疑問を自分の中で考え、
次第に自分自身という存在を形成していきます。
そうして考えて考えて、
最終的に「これこそが自分なんだ」と、
納得のいく形で結論を出す事で自己を確立し、
それを実感する事で精神的にも成長していけるのです。
この自己の確立の実感を、
心理学・社会学的には『アイデンティティ』と呼びます。
適切にアイデンティティが獲得されないと、
自分のやる事が解らないまま
無為に時間を過ごしたり、
他者の意見に流されるまま、
極端な思想にのめりこんでしまったりと、
社会的に好ましくない状態になってしまう
と言われています。
このアイデンティティの獲得および整理の流れは、
何も青年期に限らず、
人生の節目節目で幾度も繰り返される為、
人によってはその獲得や整理に失敗し、
人生の中で停滞感や挫折感を何度も味わったり、
無力感にかられるようになってしまう、
といった経験を何度も体験するようになります。
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☆医学・心理学・性科学的な意味でのアイデンティティ☆
医学・心理学・性科学的な意味合いでの
アイデンティティとは、
『性同一性』という意味合いを持ちます。
『ジェンダー・アイデンティティ』
といった言葉が使われる事もあり、
『自分の性別が何なのか』という、
意思以前の根本的な認識の事を指します。
この認識は自然と自分の中で
『こうなんだ』と認識している為、
他者からの指摘や強制、
自分の自由意思では変える事はできません。
多くの人は自分の身体的な性別に合致した
性同一性を持ちますが、
中には自分の身体的な性別とは違った
性別の認識を持つ事もあり、
これが著しく異なっている場合は、
精神医学上の診断として『性同一性障害』
と呼びます。
☆社会的な組織や集団に関係するアイデンティティ☆
アイデンティティは、
地域や集団など共同体への帰属意識を示す言葉
としても使われます。
また、
会社の『社としての個性』を示す言葉として、
『コーポレートアイデンティティ』
という言葉があり、
これは自分の会社の独自性などを
メッセージとして発信し、
社会に共有する事で存在価値を高めていく、
企業戦略の一つであるとされています。
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アイデンティティという言葉を使った例文集
☆実際にアイデンティティという言葉を使ってみよう☆
ここでは、
実際にアイデンティティという言葉を使った、
簡単な例文を紹介していきたいと思います。
ここでの例文を参考に、
自分でも必要な場面で使っていくようにすれば、
より深くアイデンティティという言葉の
意味を理解し、
より使いやすくなっていくことでしょう。
☆アイデンティティを使った例文☆
『いつも元気でニコニコ笑顔でいるのが
私のアイデンティティ』
その人の個性を表す
何がしかの要素が入っていれば、
それはアイデンティティと言えます。
『私は身体は女性だが、
男性のアイデンティティを持っている』
自分の性同一性を示す使い方。
『アイデンティティでは』
『アイデンティティ上は』など、
それを示す意味合い上は、
といった感じに使うと良いでしょう。
『他社より速く、正確な仕事が
我が社のアイデンティティだ』
会社の個性を示す場合でも、
個人の個性を示す場合と同じく、
個性を提示した上で
『それがアイデンティティだ』などと書くと、
このような使い方をするうえで綺麗にまとまる事でしょう。
まとめ
筆者がアイデンティティという言葉を
最初に目にしたのは、
高校で受けた倫理の授業での事でした。
筆者は割と道徳や倫理といった科目が
好きだったので、
これについても興味を持ちましたが、
次第に自分が日ごろから考えていた数々の疑問が、
このアイデンティティの確立に、
非常に重要なものだったのだと気づかされました。
なんとなく自分は
考え過ぎているような気がしていたのですが、
これはこれで大切なものだったのだな、と。
そして、多くの人は自分と同じように、
考えたり疑問に思ったりしているのだと
気づき、安堵したものです。
社会においても、個性というものが
重視されるようになって久しいですが、
右へならえの時代と比べ、
今の時代は本当に様々な事で個性が主張され、
そして重要視される時代になっている気がします。
そして同時に、
その個性によって苦しむ人や、
自己の確立に失敗してしまう人も
増えているんじゃないかなあとも。
ジェンダーに関する事なども、
近年では何かと話題になる事が増えました。
色々と、アイデンティティについて
考える機会が増えている、
そんな社会になってきたんですよね。
皆さんも、こういった機会にでも、
アイデンティティという言葉に触れ、
使ってみて、今のうちに
慣れ親しんでおいた方がいいかもしれません。
時代の流れに乗ってその言葉を理解すれば、
社会の問題もいくらかは解りやすくなっていくものです。
どうぞこの記事を読んだ方が、
少しでもアイデンティティという言葉を、
受け入れられるようになりますように。
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