会議やミーティング、はたまたビジネス文書など様々な場面で、時折見かける事のある『忌憚のない』という言葉。
これは一体どんな意味かご存知ですか?
結構色んなところで使われる言葉なので、「そのくらい知ってるよ!」という方も結構いらっしゃると思いますが、中には「今更人に聞けないよ」という方もいるかもしれませんね。
今回はそんな方々の為に、『忌憚のない』という言葉の読みや正しい使い方だけでなく、漢字の意味する語源などについても紹介していきたいと思います。
知っている方は復習がてら、知らない方は折角なのでここで覚えておくと、いざ会話などで『忌憚のない』が使われた際に、スムーズにその意図をくみ取れると思いますので、是非ご覧になっていってくださいませ。
それでは早速参りましょう!!
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忌憚のないとはどんな意味を表す?忌憚の読み方と正しい使い方
『忌憚のない』の読みと意味
『忌憚』とは、「きたん」と読み『忌憚のない』とは、遠慮したり余計な気遣いのない、といった意味です。
多くの場合『率直な』『正直な』等と似たような使い方をされ、他者に感想や意見を聞く際や、伝えたい事を表す際に使われる事が多い熟語です。
『忌憚のない』の正しい使い方の例
以下は、『忌憚のない』の正しい使い方の例です。
- 「この案について君達の忌憚のない意見を聞きたい」
- 「私は友人に求められるままに忌憚のない意見を伝えた」
- 「彼の意見は全く遠慮がなく、まさしく忌憚のないものだった」
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忌憚のない意見交換はビジネスの場では常套句!?その言葉の真意とは?
ビジネスの場で忌憚のない意見を求められたらどうする?
実際に会議や文書などで上司や司会から忌憚のない意見を求められた場合はどうすればいいのでしょうか?
そもそも忌憚のない意見を求められる状況というのは、以下のようなものが考えられます。
- 現状のままだと上手くいかないので、解決する為に立場に関係なく新しい意見が聞きたい。
- 遠慮されるとスムーズに意見交換できないので、そういったものなしで率直に話し合いたい。
- 問題点や改善点などを役職や階級に関わらず指摘してほしい。
- 派閥や組織に関係なく中立的・客観的な意見を取り入れたい。
このように、問題意識があるにも関わらず、普段は役職や階級、立場の違いなどのしがらみによって、何かと囚われがちなビジネスマンにとって、現状の打開や問題点の解決に繋がる事もある『忌憚のない意見』とはとても重要なものなのです。
意見を求められた際に気を付けたいポイント
忌憚のない意見を求められた際に、特に注意しないといけない点があります。
以下にまとめましたので、どうぞご覧あれ。
注意点1.それを求めた相手がどの程度の意見を求めているか
いくら相手が『忌憚のない意見を言ってくれ』と求めていても、本人が想定したよりも厳しい意見や責任を追求するような意見、しつこい指摘などは相手の反感や怒りを買う事にも繋がります。
それでも尚飲み込んで反省するような相手ならいいのですが、はっきりとした意見を言う前に、まずはその相手の性質を見定めましょう。
その相手とトラブルにならないように気を付けましょう。
特に『忌憚のない意見を』という言葉が使われるシーンは、それを求めてくるのが上司や上役という事も多々ありますので「本当にこれを言ってしまっていいのか?」と、実際に口に出す前に考えるようにすると、思い付きで言った一言が相手の怒りを買う、という事はなくなるのでお勧めです。
注意点2.意見はできるだけ客観的・中立的にまとめる
意見を求められた際には、できるだけ客観的、かつ中立的な見方で伝えられるようにしましょう。
例えば二つの意見に分かれてどちらか、という場合でも、どちらか片方に寄った見方よりは、双方の意見をきちんと聞いたうえで、『どちらがより魅力的な意見か』『どちらの意見の方がリスクが少ないか』などを考えましょう。
そして、プラスになる方を選ぶようにすると、「何故そう思うのか?」と聞かれた際にも、スムーズにその理由を伝える事ができ、相手からも納得されやすくなります。
これを怠り、ただその場その時の気分や、なんとなくの思い付きで意見してしまうと、実際にその理由を聞かれた際に答えに迷ってしまったり、最悪はそれが元で相手の怒りを買う事にもなりかねません。
ですので、よく考えて意見するようにしましょう。
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意外に知らない!?忌憚の語源は?遠慮や気遣いを遠ざける魔法の言葉!?
忌憚はどちらも似た意味の言葉で構成されている
『忌憚』という熟語を分解して考えると、『忌み嫌う』などで使われる『忌』と、遠慮するという意味合いで使われる『憚』の為、そのまま分けて考えると、『忌み嫌ったり憚ったり』という言葉を『(の)ない』と、打ち消す為、それらがないとなります。
『忌』も『憚』も基本的にはマイナスな印象を与える言葉で、どちらも『遠慮する』という意味合いが含まれる為、似た意味の言葉が連続する熟語であると言えます。
打ち消して使われる言葉
このように、マイナスのイメージを持つ言葉を繋げ、更にそれを打ち消しの形で使う『忌憚』ですが、打ち消さずに使う事はあるのでしょうか?
答えはNo。
例えば遠慮してほしい時に『忌憚してくれ』と頼んだり、気を遣う事を指して『忌憚する』という使い方はしません。
文芸作品などで作家個人が造語的に使う事はあるかもしれませんが、そういった例を除けば、『~のない』や『~なく』といった使い方をするのがベターです。
また、敬語表現として、『ご忌憚なく』といった使い方もしないようです。
実際に使う際にはどうぞご注意を。
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忌憚のないについて調べてみたまとめと感想などを
言葉としてはよく見かけますし意味合いもなんとなく解るけれど、実際に深く考えるという事はしない言葉って、結構ありますよね。
筆者的には『忌憚』もそんな言葉の一つで、字面から見てもマイナスな印象を受ける言葉なのですが、それをわざわざ打ち消して使っている、というのがこの熟語の面白いところだと思います。
他にも『気兼ね』なども意味が近く同じように「~なく」と、打ち消しで使われる事がある言葉ですが、この『忌憚』は打ち消し以外では使われないのです。
中々珍しいですよねえ。
でも確かに考えてみると『忌憚する』や『忌憚してほしい』などと使われてるのは見ないですし、説明されると「確かにそうだよなあ」とも納得できるんですよね。
言葉の意味は解っていても、この辺りは調べないと解らないポイントかも知れません。
どうかこの記事を読んだ方が、忌憚なく意見を言ったり、忌憚のない意見を求める際にスムーズに伝えられますように。
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