封筒や書類に金額を書く時、「あれ?金額を書く時どんなふうに書くんだっけ?」ってなること、ありませんか?
香典などでは封筒に縦書きで漢数字で書くのですが、こういったものの書き方って、学校などでは詳しくは教えてくれなかったりしますよね。
ここでは、そんな漢数字のアレコレについて困っている方の為に、そのルールなどを分かりやすく紹介していきたいと思います。
使い方を解らないと書く事そのものが面倒になりがちですが、一度覚えてしまえばなんてことありません!
しっかりマスターして受け取る方からも「解ってるなこの人」と感心してもらえるような、そんな一筆を書けるようになりましょう!
それでは早速参りましょう!!
漢数字の書き方を知っておこう!金額を漢数字で書く場合のルールとは?
実生活ではあまり使われない漢数字たち
戸籍の登録や会計など、公文書で使われる漢字の表記には日常とは違ったものも多く、それだけに使い慣れていない人にとってはよく解らないもの。
まずはそこから噛み砕いて説明していきたいと思います。
こういったものを書く際に使う漢数字というのはやや特殊で、『一、二、三……』といった日常でも使う漢数字ではなく、『壱、弐、参……』と、普段あまり使わない形のものもあります。
これは一体何なのか。
実はこれは『大字(だいじ)』と呼ばれる漢字で、改ざんや他の文字との混同を防ぐため、日常で使う漢数字の代わりに用いられるものなのです。
例えば『金二千円』と書かれた書類があったとして、この『二』の部分に、一本字を書き足してしまえば『三』にできてしまえるように、漢数字には簡単に書き足しができてしまえるものも多く、問題の発生を避けるために、このような文字が開発されたのだというお話です。
不正を防ぐための知恵、といった意味合いがあるのですね。
ちなみに『あまり使わない』とは言いましたが、実はとても身近な場所でこの『大字』が使われていたりもします。
それはどこなのか!?
答えは『紙幣』です!
お財布の中を確認してみてください。二千円は『弐千円』、一万円は『壱万円』といった具合に、そのままでは書き足しやすい部分だけ、大字が使われているのが解ります。
意外なところで使われてるもので、言われないと案外「そういえば!?」と思う方もいらっしゃるのでは?……実は筆者がそうでしたってだけのお話なんですけどね。
香典やご祝儀で難しい漢字が使われる訳
さて、このように不正対策の為使われている大字ですが、香典やご祝儀にも使われているのは何故なのでしょうか?
一つは、やはり金額などを誤魔化さないようにする為、という意味もあるのでしょう。
ですが、一番重要なのは『雰囲気』です。
わざわざ難しい漢字を使う事で、その漢字の持つ『重々しさ』や『想いの強さ』といった、一般に使われる漢数字では伝わらない感覚を、受け取る相手に印象付ける事が出来るのです。
この為、こういった場合に使われるものの中には、『仟(せん、千の意味)』『萬(まん、万の意味)』といった、旧字でほとんど使われていない漢数字も含まれています。
香典やご祝儀では絶対に大字を書かないといけないのか?
ここまでの説明で書いたように、香典やご祝儀といった際に書く漢数字には、実はそんなに細かいルールはなかったりします。
大字にしても、公文書と違って私的な場面においては、これはあくまで雰囲気重視の為に使われているものなので、特にこだわりが無ければ『金二千円』と書いてもいいですし、『金2000円』と書いても問題にはなりません。
ただ、冠婚葬祭を取り扱う業者の方や、昔ながらのやり方を重視する方などには『大字を使うのが正しい書き方です』と指摘される可能性もありますので、ケースバイケース、あくまで『私的な文章に絶対のルールはないよ』とだけ知っておいてもらえればと思います。
この場合、書く自分だけでなく、相手の方の『こだわり』も気にする必要がある、という事ですね。特に葬儀などで書くことになる香典には、それそのものに『死者を弔う』という意味もあるので、親しい相手でもある程度、気を遣う必要があるかも知れません。
『親しき中にも礼儀あり』と言いますので、どうぞご注意くださいましね。
漢数字で縦書きする時知っておくと便利?!10や11の漢字の書き方
地味に必要になる縦書き知識
ここまでは特殊なシーンで使う事の多い漢数字についてでしたが、ここからは一般的によく使う漢数字のお話になります。
漢数字の縦書きをする際、例えば『11』を書く時に、皆さんはどのように書きますか?
『十一』と書く方もいるでしょうし、『一一』と書く方もいるのではないでしょうか?
一体どちらが正しいのか。ここでは、そういった『ちょっとした日常の中の疑問』に答えていきたいと思います。
ビジネスシーンでは勿論、誰かに手紙や書類を送る際、地味に役立つ情報ですよ!
宛名の住所などで書く際の表記方法
多くの人が縦書きで漢数字を使うシーンというと、封筒などに住所を書くところを浮かべるのではないでしょうか?
このような場合においては、あくまで『私的な場面』に当てはめられる為、難しいルールなどはありません。
せいぜいが『漢数字と算用数字をごっちゃにしないでね』くらいのもので、それさえ守ってくれればどのように書いても問題ないのだとか。
ただ、いくらか『読み手に優しい書き方』というのはあります。
郵便局員泣かせな書き方は避けた方が良い
例えば番地などで『11』を漢字で書くなら、『一一』ですと縦に並んだ際、『二』に見間違えられる可能性があります。
筆者は過去に郵便局員として勤めていた経験がありますが、これが意外と多く、そして見間違えやすいのです。
達筆な方が書かれると特にそうなりやすく、そういったものを見つける度に「これはどっちなんだ?」と、同僚とああでもないこうでもないと議論したものです。
このように、誤配の元になりかねませんので、例えば『11』でしたら『十一』と書くと、縦書きであっても見間違える事はなくなります。
10はどのように書けばいいのだろうか
漢数字の特殊な例として、『10』の表記があります。これは、一般的には『十』と書くのですが、『一〇(いちれい)』といった表記で、10という数字を表す事もあります。
例えば『10-5』といった番地を書き表す際に、『一〇 - 五(一〇と五の間の棒は縦書きになる)』といった感じに書くのです。
『0』を表す漢字には、他にも大字で『零(ぜろ、れい)』という漢字もあるのですが、住所を書く際には『一零』といったような書き方はしません。
自由とは言っても大字を使うのは読みにくくするだけなので、使うのはなるべく避けた方が良いかも知れませんね。
算用数字と漢数字どう使い分ける?!数字表記の正しい使い分けとは?
文章を書く際などに役立つ使い分けポイント
ビジネス文章や手紙、小説といった縦書き文章を書く際に、『この場合はどっちを使うんだっけ?』と、算用数字と漢数字で迷った事はありませんか?
この見出しではこれまでとは違ったアプローチで、『算用数字と漢数字との使い分けするポイント』を紹介していきたいと思います。
迷った際に『ここはアレだ!』と浮かべられれば、調べ物をしたりで手を止める事なく、スムーズに書き進められるようになりますよ!
大原則!縦書きと横書きの違い
文章の書き方に関して最も重要なのは、『縦書き』と『横書き』の二種類がある事。
旧来の日本では元々は縦書きが主でしたが、現代においては横書きが普及しており、縦書きで書く機会が減った、という方も多いのではないでしょうか。
この縦書きと横書き、実は実際に書く際にも違いがありまして、特に今回のように数字を扱う際に重要になってくるのが、『縦書きと横書きで数字の表記方法が違う』という事。
縦書きでは算用数字は基本使わず、漢字での表記が基本となります。
敢えて使うというケースもあり、私的な場面では絶対というほどのルールではないのですが、これを覚えておくことで大分、文章の書き方が解ってくると思います。
この為、この見出しでは『横書きでの算用数字と漢数字の使い分け』というシーンを想定して紹介していきたいと思います。
人数や物を数える際には算用数字を使う
例えば『1つ、2つ……』『1人、2人……』といったように、人や物を数える際には算用数字を使いましょう。
これは対象が何であれ『数える』という目的であるなら同じで、逆に『特殊な扱いにしたい』という場合はその限りではありません。
例えば『特別な一人を表現したい場合』などに、『ひとり』とひらがなで書いたり、『一人』と漢数字で書くのは、問題ないのです。
慣用句や熟語、固有名詞は漢数字で表す
例えば『七転び八起き』といったことわざや、『石田三成』といったように数字を含む個人の名前、『四日市市』などの土地名などの固有名詞は、漢数字で表記します。
こちらは人数や物の場合と異なり、必ず漢数字で書き、算用数字で表記する事はありません。
『石田3成』なんて書かれても誤字かと思っちゃいますもんね。
このように、『数えるものは算用数字、言葉として使うものは漢数字』と覚える事で、とても簡単に両者を使い分ける事ができると思います。
これでもう迷う事はありませんね!!
漢数字の使い方について調べた結果のまとめ
ここまで調べてみて思ったのですが、漢数字って、結構使う場面によって随分と使い方が違うものなんですね。
『大字』自体はたまに目にする漢字でしたが、『〇』っていう漢字が存在する事までは知らず、「なんで0を丸にしてるんだろうな?零じゃダメなのかな」と不思議に感じていました。
香典やご祝儀に使われる際にも難しく書きますが、実は特別なルールなどはなく、雰囲気重視だったというのは驚きです。
普段当たり前のように使っている一般常識ですが、こんな感じで、紐解いていくと『実はそんなに深い意味はなかった!』みたいなのが結構出てくる気がしませんか?
筆者は意外と調べていて楽しくなってきたのですが、皆様は如何でしょうか?興味そそられませんか?
この記事を読んだ事で、漢字や文章を書く際のわずらわしさが、わずかなりとも軽減できることを祈ります。
ご拝読ありがとうございました!!
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