生きている以上は、
必ず迎えなければならない瞬間というのはあります。
人の最期というのは、迎える側には悲しく辛く、
とても切ないものですが、同時にその人の
『生きている最後の瞬間』
を一緒に過ごせる機会でもあります。
特に大切な人との最後の別れともなると、
悲しみばかりが
強くなってしまうかも知れませんが、
それでも最後の最後には、何かしら一言、
伝えたいと思うものでしょう。
今回は、
そんな時になって迷ってしまわないように、
『大切な人との別れの時にかける言葉』
について、色々と紹介していきたいと思います。
「縁起でもない」と思う方も
いらっしゃるかもしれませんが、
いざという時に伝えたいことが伝えきれず、
後悔してしまうくらいなら、
あらかじめ考えておく方がいいはずです。
考えているうちに
辛い気持ちになってしまうかもしれませんが、
どうぞ参考程度に、
この記事を役立てていただければと思います。
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最期にかける言葉、
残された側の気持ちの整理のつけかた
☆大切な人の最期にかける言葉は、皆が悩んでいる☆
まず簡単に、
『最期にかける言葉』と検索にかけただけでも、
結構な数の記事や、質問などが引っかかると思います。
そう、これって皆が悩む事なんですよね。
突然の事で考える余地もないのならともかく、
その人がまだ生きてらっしゃって、
考える余地があるというなら、
皆、まずはどうすればいいか調べるのです。
そうして、
そんな中から自分に合った答えを見つけ、
大切な人への最後の言葉として
紡ぐのではないでしょうか。
☆もう助からないと解っている相手なら、感謝やねぎらいの言葉をかけてあげよう☆
大切な人がもう助かる見込みが無く、
看取る為に会う、というのなら、
かける言葉というのは、
感謝やねぎらいといった、
『その人が生きていた事・
頑張っていた事を認めてあげる言葉』
をかけてあげるのが良いでしょう。
例えば
「今まで家族の為に頑張ってくれてありがとう」
という感謝の言葉や、
「貴方が会社で頑張ってくれていた事、皆忘れないよ」
というねぎらいの言葉などがこれにあたります。
死にゆく人でも、
自分がそれまで生きていた人生が、
丸々無くなってしまうと思うと
辛いものでしょうから、
それまで生きてきた日々や、
頑張っていた事を認めてあげる事によって、
見送られる側も
「ああ、私の人生を覚えてくれている人が居る」
「私の頑張りは無駄じゃなかったんだ」と、
いくらか安心して眠る事が出来るのではないでしょうか。
☆未練を無くせるような言葉をかける事で救いを感じさせられる☆
その他、
その人がやり残した事、やりたかった事などを、
生きている内に叶えてあげたり、
叶える約束などをしてあげる事で、
その人の未練がなくなり、
穏やかな気持ちで旅立つことができるかもしれません。
死にゆく人の願いや望みというのは、
それそのものが
ご本人の未練の形とも言えるものですから、
できる限り叶えたいところですね。
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☆その人が居なくなるのは悲しいかも知れないが、心配させる事のないように別れを告げよう☆
とても大切なことですが、
別れを告げる際、見送られる側の方が、
つい心配になってしまうような事は無いようにしましょう。
悲しみのあまり取り乱してしまうだとか、
あまりみっともない姿を見せてしまうと、
眠る方が安心して眠る事ができなくなってしまいます。
無理に笑顔を作れとまでは言いませんが、
できる限り、
しっかりとした口調で言葉をかけてあげてください。
……そうは言っても、その時になってしまうと、
どうなるか解らないのが人間というものですが。
なんとかそのように心がけたいものですね。
☆見送った後は泣いてもいいし落ち込んでもいい、でもひきずらないように☆
これはよくある事なのですが、
『その方の死があまりにショックで、ずっとひきずってしまう』
という事もあるかもしれません。
人の死というのは簡単には受け入れがたく、
時としてとても長く苦しむ事にも繋がります。
そういった事態を避けるためにも、
見送った後には思いっきり泣いてしまいましょう。
そうする事で、自分の中で
「この人は亡くなったんだ」
と受け入れやすくなります。
逆に、無理に我慢して泣かずにいたり、
人前だからと
平気な素振りで耐えようとすると、
かえって
後々までひきずってしまう事に繋がりかねません。
悲しい時は、自分の心の平穏の為にも、
素直に泣きましょう。
本人からの最後の願いを叶えられない場合はどうする
☆いくら大切な人の最後の願いでも、叶えられない事はある☆
最後の願いをかなえてあげる事が、
見送られる側にとっても
大切な未練の解消になるのですが、
それでもどうしても叶えられない願いというのはあります。
例えば、法に触れるような願いであるなら、
よほど親しい間柄であったとしても、
それを叶えるのはかなりの勇気が要るはず、
法を順守するなら決して叶える事は出来ないでしょう。
また、法に触れずとも、
自身の信条や良心などに反する願いなら、
やはり叶えるのは難しいはずです。
物理的に無理な願いというのもあるでしょうし、
叶えたくとも
能力や状況が追いつかず不可能に等しい、
といった願いもあるはずで、
そういったものを願われた場合、
戸惑ってしまったり、
迷ってしまう事があるかも知れません。
では、このような場合、
どうするべきなのでしょうか?
☆まず、それがどういう状況かを考える☆
願いごとと言っても、
例えば
二人きりの状況でただの口約束であるなら、
『優しい嘘』として受けてあげるのはアリだと思います。
他に人が居たとしても、
明らかにそれが不可能な願いであると、
その人達にも伝わっているなら、
嘘であっても未練を無くすために
「解ったよ」と聞いてあげるのは、
人情の上でのことなので許されるのではないでしょうか。
それによって安心して眠る事が出来るなら、
これ以上ない救いなのでしょうから。
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☆相続や弁護士などが傍にいた場合はその限りではない☆
このように、
これから亡くなるであろう方に対しての
『優しさ』で嘘をついてしまうのは
アリとは言いましたが、
どんな事にも例外というのはあります。
例えば遺産の相続など財産に関わる事や、
『優しい嘘』を
嘘と思ってくれない方が傍にいる場合、
弁護士の方が傍についていて、
明確に『約束』として
契約になってしまう場合などは、
例え亡くなる方の願いであったとしても、
よく考える必要があります。
多く、このような場面では
『優しい嘘』はつかない方が吉です。
あくまで自分自身の利得や
その後の身の振り方などを前提に、
後悔する事が無いように答えられるようにすべきです。
必要なら
「申し訳ないがその願いは叶えられない」
とはっきり断ってしまう事も大切です。
「これが最後だから」と同情する事で、
いらぬ火の粉を被らないように気を付けましょう。
これでお別れかも知れない危篤状態の人への言葉、
なんとかける?
☆もしかしたらお別れにならないかもしれない☆
危篤状態というのは、
『今にも死にそうな状態』であり、
『絶対に死ぬ状態』ではない
という事をよく覚えておきましょう。
そう、症状によっては無事乗り越え、
『回復する事』もあるのです。
ですので、危篤状態の方に対しかける言葉は、
相手の方の状態によっても考えなくてはなりません。
☆少しでも助かる見込みがあるなら、希望を持たせると良いかも知れない☆
もしかしたら助かる事もあるかも知れない。
そんな状態であるなら、
「まだ大丈夫よ」「きっと助かるよ」と言った、
希望を感じさせるような言葉をかけてあげるのも、
アリかもしれません。
それを元に生きる気力を取り戻し、
回復に繋がる事もあります。
危篤状態まで行くと伝える側の
希望に近いものがありますが、
それでもご本人の「生きたい」
という気持ちに沿って、元気づけてあげる事は、
最後までその人の『生き様』を
肯定してあげる事にも繋がります。
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☆場合によっては未練がその人の命を繋ぐこともある☆
例えばですが、今にも死にそうな人が、
まだ小さなお子さんを残したままだったなら、
そのお子さんの事が心配で、
未練で仕方ないのではないでしょうか。
そのような方に向けて
「お前が死んだら残された子供どうするんだ」
と、未練に訴えかける様な言葉をかけるのは、
筆者的にはアリなのではないかと思います。
それによって
「こんなところで死んでられるか!」
と生きる気力を取り戻せれば、
場合によってはそれで峠を越えられる事も
あるかもしれません。
こんな事を言うと
「現代医学を馬鹿にしている!」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
意外と心の在り方というのは
医学的にも重要なもので、
思い込みは中々馬鹿にならない効果を発揮したりするのです。
同様に、
「貴方みたいな人がいなくなって清々するわ!」
と憎まれ口をたたく事で「なにおー!!」
と怒りを覚えて奮起するのを狙ったり、
「貴方の事が好きだったの、死なないで!」
と恋心に訴えかける事で
「折角好きな人と相思相愛になれたのに死ねない!!」
と気力を取り戻す事を狙うのもアリかもしれません。
とにかく生きて欲しい、
元気になって欲しいと願うなら、
あらゆる手段を用いてでも
生きる気力を取り戻させる事が大切です。
まとめ
最後にかける言葉、というキーワードは、
どこか湿っぽくて、
悲しい雰囲気を感じさせるもののように思えます。
ですが、
亡くなる方は皆悲しんで亡くなる訳ではなく、
安堵して亡くなる方や、
満足して亡くなる方も、決して少なくはないはずです。
辛いばかりだった日々でも、
最期には笑顔で迎えたい。
そんな気持ちの方も
いらっしゃるのではないでしょうか?
筆者はそう考え、
できるだけそういった方が笑って逝けるような、
そんな言葉のかけ方を紹介してみました。
もしかしたらもっといい案があって、
もっとたくさんの人が笑顔になれるような、
そんな最後の言葉もあるかも知れません。
ですが、これは個人差があるもの。
一番大切なのは、やはり大切な人からの、
心からの一言なのではないかと筆者は考えます。
かける言葉の案は紹介しました。
ですが、できれば最後の一言は、
貴方自身の心から出してあげてください。
この記事が、
そういった迷える方の為の一助になれる事を願います。
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