風邪を引いたり、ちょっとした拍子に咳き込んだりする時に、急に肋骨の当たりが痛む事、ありませんか?
普段はなんともなくとも、ある時突然痛み出して、ただでさえ苦しい咳が余計辛い物になってしまったりしますよね。
今回はそんな方の為に、『咳の際に肋骨が痛む原因』とその対処法、通うべき医療科目などを紹介していきたいと思います。
何の痛みなのか解らないままでは不安ですが、ひとまずはこの記事を読んで、その痛みの元が何なのかを把握するところから始めましょう。
咳をすると肋骨が痛む?可能性のあるケガや病気は?
筋肉や骨の痛みとなる『体性痛』が原因の一つ
咳の際の痛みに関しては、痛む箇所がはっきりとしていて、決まった場所が疼くように痛むようなら、それは『体性痛』といい、該当する部位の骨や筋肉の発する痛みである事が多いようです。
逆に、痛む場所がはっきりとしていない、どこが明確に痛みの原因なのか解らずに痛むというようなら、それは内臓の疾患などが原因の可能性が疑われるようです。
咳の際の痛み、更に肋骨やその周囲が痛む場合は、『体性痛』であると言えますので、骨や筋肉などに何らかの異常が生じている可能性が高いと言えそうです。
体性痛で肋骨が痛くなる原因
さて、この『体性痛』が発生する原因ですが、明確に肋骨の痛みというのであれば、『骨粗しょう症』による骨折や『肋軟骨炎』、『椎間関節症』などが可能性として挙げられます。
『骨粗しょう症』の場合、カルシウム不足などにより骨密度が低下してしまい、強い咳などで弱った骨が折れてしまう事もあるようです。
これが原因で肋骨が折れてしまい、その痛みが伝わったり、臓器や神経、筋肉などに折れた肋骨が当たったり刺さったりする事で、痛みが現れたりと咳の際の痛みに繋がる訳です。
また、こういった事が原因となったり、他の要因が重なったりする事で、肋骨や骨の炎症である『肋軟骨炎』や背骨の継ぎ目に炎症をきたす『椎間板関節症』が発症する事もあります。
これらの症状の際には、関連部位に皮下出血(あざ)ができたり、体力の低下によって帯状疱疹(たいじょうほうしん)ができたりします。
まずは痛む部位を直接目視し、不自然な腫れやアザ、赤い発疹がないかを確認してみましょう。
骨粗しょう症でなくとも、咳が長引く事で折れる事もある
こちらは喘息などで長期的に咳き込んだ場合に起きやすいのですが、骨粗しょう症でなくとも咳を繰り返すような状況が長期的に続く場合、肋骨が疲労骨折を起こしてしまう事があるようです。
『咳で骨が折れる』というと冗談のように聞こえるかもしれませんが、咳の力というのはかなり大きく、繰り返されれば骨が摩耗していく原因となりうるのです。
咳と同様に『くしゃみ』もとても強い力が掛かる為、身体に負担をかけないよう、意識するようにしましょう。
骨に異常がなくとも、神経痛の可能性もある
骨そのものに異常が見られずとも、咳によって肋骨付近が痛む症状は他にもあります。
『肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)』は、肋間神経に沿って起きる痛みで、咳や深呼吸、大声での会話などによって痛みが酷くなります。
これ単体で起きるというよりは、肋骨や脊椎、脊髄などの疾患によって起こる場合が多く、帯状疱疹を伴う場合が多いようです。
皮下出血などの骨折の特徴が見られなかったり、レントゲンなどで骨折が見られない場合、こちらの可能性があります。
咳をすると肋骨が痛む時の対策は?
無理に耐えようとしない
上で紹介したように、咳き込む際に肋骨が痛む症状は、無理をして我慢し続ければ治るものでもなく、放置し続ければただ痛いだけで何の良いこともありません。
素直に病院に行き、正確な原因の特定と必要な対処、場合によっては手術などで治療してもらう事が、痛みを無くす一番の早道です。
病院嫌いな方もいらっしゃるかもしれませんが、どうせ耐えるなら痛いのを我慢するのではなく、嫌な病院に行くことに耐えて痛みを直す事を優先しましょう。
病院に行くまでに耐えるためにはどうすればいいか
いずれの場合でも、咳き込むたびに痛みが走り、寝返りを打てなくなったり、笑ったり深呼吸する事が辛くなります。
こういった症状を少しでも緩和させるためにまず重要なのは、『咳き込まずに済むようにする』という事です。
例えば、乾燥する時期であるなら、風邪やインフルエンザに掛からない、悪化させないように薬をちゃんと飲んだり、マスクを利用して咳の元になるような有害物質を取り込まないようにしたりしましょう。
また、加湿器やのど飴を利用して口や喉の乾燥を防ぐといった、いわば『風邪対策』『インフルエンザ対策』によって、咳そのものを極力しないで済む様な環境を作るようにしましょう。
勿論、家で安静にしているのが大切です。
無理して仕事をしたり運動したり遊んだりは禁物ですよ?
治らない時は何科にいくべき?
まずは整形外科へ行こう
ここで紹介した症状が出ていた場合は、まずは整形外科で診療を受けると、レントゲンで肋骨の状態を診断してもらえます。
これにより肋骨が折れているか否か、ひびが入っているのか、それとも炎症を起こしているのかなど、正確な症状を診てもらいましょう。
骨折の場合は、軽度であればコルセットで固定し、鎮痛剤などを飲む事で痛みを抑え治療する事が出来ます。
ただ、あまり酷く折れているようですと手術が必要となりますし、臓器が傷ついているなど症状次第では他の異常もあるかもしれませんので、医師の診断結果をよく聞いて必要ならば他の科にもかかるようにしましょう。
咳の元もきちんと治す為、内科や呼吸器科も受けるようにする
これは肋骨の痛みとは直接の関係はありませんが、治療のためにコルセットを巻いたり痛み止めを飲んだりしても、その間咳き込んでしまえば繋がる骨も繋がりません。
それどころか、他の無事な骨まで折れてしまう事になりかねないので、きちんと内科なり呼吸器科なりに受診し、咳の原因を絶つようにしましょう。
目安としては、通常の風邪やインフルエンザなどは内科ですが、気管支炎や喘息など、呼吸器に異常がある場合は呼吸器科の管轄となります。
複数の病院を行き来するのが大変だという方は、総合病院を利用する方が移動の手間の分だけ楽かもしれません。
咳中の肋骨の痛みについて調べてみた感想など
なんというか、奇遇な記事ですね。
つい最近なのですが、筆者の母も似たような状態に陥って、起き上がったり寝返ったりするのも悲鳴を上げるような、見ているだけでも辛い状況になっていました。
母の場合は肋骨ではなく鎖骨で、原因となったのは転倒でしたが、人間の骨って結構簡単に折れてしまうものなんですよね。
特に高齢ともなると、些細なことが原因でこうなるようです。
以前は元気だった母を知っているだけにショックも大きく、今では自力で買い物にいけるようになってはいるものの、そんな母を見ていて心配になってしまう日々です。
勿論、こういった事はお年を召した方に限らず、若い方でもあまり酷い咳き込み方をしているとなってしまったり、他の症状と併発して起きる事もあるようなので油断はできません。
少なくともこの記事を見て知識としてそういった事もあるのだと覚えている分、正確に対処できるんじゃないかなと思います。
何も知らないと、骨が折れてるなんて思いもしませんもんね。
どうかこの記事を読んだ方が、突然の咳中の痛みに落ち着いて対処できますように。