私たちは日本人として、生まれたときから日本に住んでいると実感はわかないと思いますが、海外の人から見ると、日本は経済的に優良で治安も良く、「できるならここで働いて金持ちになりたい!」という夢を抱く方が多いのだとか。
でも、実際に海外の方が永住権を獲得するとなると、一体どんな方法で取得する事になるんでしょうか?
これは、日本から出た事が無いと全く意識した事ないですし、実際に獲得した人に聞いてみないと「そんな事になってたんだ?」ってなりがちなんですよね。
これから先、グローバリズムがどんどん広がれば、その分海外の方や、海外から移住してきた方と接触する機会が増え、色々話をする事も多くなるでしょうし、その時になって驚かされる事の無いように、ここで勉強してみるのもいいのでは?
今回はそんな『永住権』についての話をメインに、在留資格や帰化との違いなどを紹介していきたいと思います。
ここでそれぞれについて触り程度でも知っておけば、いざ話す際に話題としても使えますし、円滑にコミュニケーションが取れるようになるかもしれませんよ?
それでは早速参りましょう!!
在留資格と永住権それから帰化の違いとは?
在留資格とは何だろう?
在留資格とは、日本に住む為に国から発行される資格です。
例えば働くために日本で住まう為の『就労』や、日本の学校で学ぶための『留学』、他国の政府関係者が日本に使節などで入る場合は『外交』と、目的に応じて様々な資格が存在し、これを習得する事で、定められた期間の間だけ日本に滞在する事ができるようになります。
加えて滞在する為には目的に沿った活動をする必要があり、例えば就労資格者であれば、働くために来ているので、企業などで働く必要がありますし、留学資格者なら勉強のために来ているので、定められた種別の学校に通う必要があります。
永住権は在留資格とは違うの?
永住権は、在留資格の一種で、滞在期間が無期限となっています。
その他、資格の更新の必要が無く、これを得た時点で就業における制限は大分軽減される為、日本で働きたいという方にとっては夢のような資格となっています。
帰化と永住権は違うものなのか?
帰化とは、日本人として国籍を取得する事を指します。
対して永住権を持った永住者は、日本で無期限に生活する事を許された外国人という扱いの為、両者は根本的に全く違う存在であると言えます。
帰化した人は日本人、永住者は外国人、と覚えると良いでしょう。
厳しい審査の条件とは?永住権の取得条件基準が知りたい
夢のような永住権、でも実際に取得するのは大変なのだ☆
一度取得してしまえば更新の必要が無く、就労に関しても就労資格者と比べてかなり自由度の高い永住権は、日本で働きたい人にとって喉から手が出るほど欲しいものです。
ただし、これを習得する為には、それ相応にハードルが高く設定されており、まず審査を受けるための条件として、
- 10年以上在留
- 独立した生計を営むに足る資産または技能を有すること
- その者の永住が日本の利益に合致すること
という三つの条件をクリアしている必要があります。
ただし、『10年以上の在留』に関しては、日本人の配偶者が居れば3年以上、日本への貢献が認められた場合は5年以上に引き下げられる為、人によってはこのハードルは低くなる事もあります。
条件を満たしたうえで、更に審査を乗り越える必要がある
実際に永住権の取得条件を満たした場合でも、更にそこから審査が始まり、これを合格してはじめて、法務大臣によって永住権の取得が許可されます。
審査基準は以下の通りになっています。
- 素行が善良であること
- 独立の生計を営むに足る資産又は技能を有すること
- その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
……はい、お気づきの方も多いかも知れませんが、上の見出しで紹介した『審査を受けるための条件』と大部分は一緒です。
『素行が善良であること』というのは、例えば反政府的な行動を取っていないかとか、車の運転などで違反がないかとか、反社会的な集団と関わりを持っていないかなど、普通に暮らしていればそこまで心配する必要のない程度のものです。
これらの条件をきちんと満たしていれば、永住権は獲得できる訳です。
途中で出国してしまったらリセットされる?すぐに戻れば間に合う?
帰省などで日本から出てしまったら永住権は失われるの?
日本で永住権を得ていても、何か用事があって故郷に戻りたい、という方もいるでしょう。
そのような方は、帰省するたびに、折角得た永住権を失ってしまうのでしょうか?
答えはノーです。
在留資格者の中でも、3か月以上の在留期間で、かつ一年以内に再入国する人の場合、出国する際に『みなし再入国許可』の手続きをする事で、「一時的に国から出るけどまた戻ってくるよ」と、国に対し申請する事が出来ます。
また、1年以上日本に戻ってこれない、という場合は、『再入国許可』の手続きを取る必要がありますが、これによって最長で5年、特別永住者の場合は6年まで、海外に滞在する事が出来ます。
いずれの場合も、定められた期間までに日本に再入国しなかった場合、折角取得した在留資格が消滅します。
永住権を獲得した人でも例外なく消滅する為、注意が必要になります。
永住権を得た後に審査条件を満たせなくなってしまったら……
例えば、永住権を獲得した後に、軽微な交通違反や税金滞納などを起こしてしまったとします。
この場合、永住権を獲得する前であれば、この一件が元で審査が通らなくなる可能性がありますが、一度資格を取得した後であれば、こういった事案によって資格をはく奪される事はありません。
ただし、あくまで軽微な場合に限りますので、例えば犯罪を犯して懲役や禁錮(きんこ)などに処せられたり、必要な届け出をしない・虚偽の申請をするなど、永住の為に最低限行わなくてはならない義務を怠ったり、偽ったりした場合は、これをはく奪される可能性もあります。
永住権について調べてみたまとめと感想などを
いやあ、永住権についてというテーマは、日ごろから縁のない事の為に全く予備知識がありませんでした。
帰化と永住者の違いくらいは、ニュアンスでなんとか解っていたつもりでしたが、永住の為の条件や、審査の内容などは全く知らない事ばかりで。
ですが、在留資格にもいろいろあって、永住権はその中の一つなんですよ、というのは驚かされました。
ずっと永住権はそういう特別な何かで、留学や就労やなんかも全く別の資格で、という感じに考えていたので、今回のテーマは中々調べていて為になりました。
日本人には縁のない話ではありますが、その分知らない人も多く、話題に出した時に「そんな風になってるのか!」と、沢山の人の驚きを得るのにも向いてるんじゃないでしょうか。
知識の使い道は様々だと思います。
どうかこの記事を読んだ方が、ここで得た永住権の知識を、何らか有効に活用できますように。