天気予報などでよく耳にする用語の中に、『降水確率』というものがあります。
なんとなく漠然と聞いていると「あー雨が降る確率なんだなあ」といった感じに伝わるのですが、
詳しい意味は調べてみないと解らなかったりしますよね。
この記事では、そんな『降水確率』について、詳しい紹介をしていきたいと思います。
見ていくと意外な事実が見つかるかも知れませんよ?
ここで知って、明日雑談のタネにでもしちゃってください!
それでは早速説明に入りますね!!
天気予報で耳にする降水確率とは?!降水確率60%の意味は?!
降水確率の概要
降水確率とは、『その地域で、その時間帯内に降水がある確率』を示した数字です。
雨でも雪でも降水確率として表示されるのが一般的で、
例えば真冬で、雪が沢山降る東北地方などでも雨雪関係なく、天気予報ではこの降水確率という言葉を使う事がほとんどです。
この降水確率の予報は、日間の場合『5時、11時、17時』の3回発表されます。
週間予報の場合は、11時と17時分の予報が一週間分予報されます。
日間の場合は雨か雪かの判別情報も記載される為、『降水確率30%/雪』といった情報なら、実際に降るのは雪、という事になります。
週間予報にはこういった情報は記載されず、また、『その一日の予報』という、やや大味な表示になるのも日間と週間の大きな違いと言えます。
降水確率はどう見ればいいのか
気象庁では、降水確率とは『予報区内で一定の時間内に1mm以上の雨または雪が降る確率』と定義づけていて、
これが10%きざみで0%から100%まで表示されます。
予報区内であればどこでもこの確率が反映されるのですが、
例えば『降水確率60%』だったとしても、『予報区内の全地域に60%の確率で降る』という意味ではなく、『予報区内のどこかしらに60%の確率で降る』という意味になります。
天気予報で表示される地域別の降水確率の計算は、どうやら予報区内の全体の平均で調べているらしく、高ければそれだけ予報区内全域に降る可能性が高くなりますが、低ければそれだけ降らない地域が多いという事になります。
つまり、『降水確率60%なのに全然降らない』となっても、必ずしもその予報自体が外れたとは言い切れないのです。
自分の所には降ってないだけで、他ではちゃんと降っているかもしれないので。
広域の予報になればなるほどその傾向は強くなり、『全体的には当たってるけど特定の場所だけ見ると外れてる』となりやすくなります。
広域天気予報の問題点
このように、天気予報での降水確率表示は平均化されている為、その分だけ『自分の住んでいるところは外れる』という事態になりやすいのです。
例えば予報区内の中に降水確率100%の町と、降水確率50%の町があれば、その区内の降水確率は平均化され、50%になってしまいます。
実際には町によっては100%で降るにもかかわらず、です。
また、10%刻みで確率が表示されますが、1%単位の数字は四捨五入される為、
例えば5%の確率で雨が降る場合は10%に、4%の確率で雨が降る場合は0%になります。
これにより1%ごとの格差が大きくなる傾向があり、
『0%なのに雨が降った(実際には数%で降る可能性があった)』『100%なのに降らない(95%だったけど四捨五入された)』という事態に陥る事もあるのです。
これでは避けられる雨も避けられない。
一体どうしたらいいのでしょうか?
天気予報と実情のズレを回避する為に必要な事
対処法として、『より細かい地域別の降水確率』を調べる事で、そういった確率と実情の乖離(かいり)を予防する事が可能です。
例えば新聞などでも、全国欄だと都道府県や特定の市や島しか表示されませんが、地域欄で調べる事で自分の住んでいる市や町などの降水確率が、ある程度細かく表示されています。
こういった『ローカル情報』を上手く活用すれば、『降水確率は低かったのに雨が降ってきちゃった!』という事態をある程度予防する事が出来るのではないでしょうか。
降水確率60%ならどのくらい降りそう?!傘は持って行く方がいい?
実は全く関係のない降水確率と降水量
最初の見出しでも説明したように、
降水確率は『予報区内で一定の時間内に1mm以上の雨または雪が降る確率』というものですので、この確率通り降ったとしても、
『その時間内に1mm以上の雨が降る』という可能性はあっても、時間あたりの雨量そのものを予想する事は出来ないのです。
この為、『降水確率100%』でも傘なしで出かけられる程度の雨の可能性はありますし、『降水確率10%』でも傘無しではびしょ濡れになる事はあります。
この事から、『降水確率=雨量ではない』という事を覚えくと、『確率低いのに沢山降って来たぞ』という事態に陥るリスクを減らせるのではないでしょうか。
海外ではより細かいmm基準で確率表示する国もある
国にもよるのですが、カナダやオーストラリアなど一部の国では、より細かいmm基準で確率計算をしているところもあります。
例えば、日本では1mm以上の雨の場合のみ確率に組み込まれますが、これらの国々では0.2mmや2mm、10mmなど、様々な基準から見た降水確率を表示してくれるのです。
これはとても便利ですが、現在の降水確率で十分参考になっている方には、むしろ細かすぎて面倒くさい、となるかもしれませんね。
雨量の予報もそうなのですが、こういった違いは、その国の気候や平均降雨量などとも密接に関係している模様。
天気予報一つとっても、国によって違いがあるというのは面白いですが、
海外旅行や留学などすると最初は困惑してしまうかも知れませんね。
降水確率何%で傘が必要?!外出前に数字で雨のサインをキャッチ?!
降水確率の算出は、長い統計データの積み重ねによって出ている
ここまでの紹介で、なんとなく『降水確率ってあてにならない』と感じてはいませんか?ですがご安心ください。
気象庁は、観測を始めてからずっとデータを積み重ね、それにより統計的にはかなり信頼性の高い数字を出しています。
実際問題『降水確率30%』となったなら、その地域でその日その時に100回同じ予報した場合、30%は降るという事になる訳です。
ただ、あくまで統計の為、100%が必ずしも降る訳ではなく、0%が必ずしも全く降らないという訳にはならない点が重要です。
では、どの程度の確率なら傘を持った方が良いのか
基本的には、確率に合わせ持つのではなく、自分の都合や予定など、状況に合わせ自分で『雨が降ったら嫌だな』と思う場合は傘を持つようにするといいです。
これは『コスト/ロス モデル』と言われる考え方で、
簡単に言うならば『雨が降る確率と傘を持たなかった場合のリスクで考える』というもの。
突き詰めると数字で計算しなくてはならないので面倒くさいですが、これもある程度簡略化して考える事は可能です。
例えば、高い服を着ている際に雨に濡れて汚れてしまうと、クリーニング代などで高くつきますが、雨が降らなかった場合は傘を持っていく手間が無駄になる、
といった自分にとって『傘を持つリスクと持たずに雨が降ってしまった場合のリスク』を考えてみるのです。
そしてその上で降水確率を見て、『確率は高いが傘無しで雨が降ったら高くつくし面倒くさいな』と思った場合に傘を持ち、そうでない場合は持たなければいいのです。
難しいでしょうか?
案外皆さん自然とやっている事でもあると思いますよ。
朝出掛ける時に『少しくらい濡れてもいいから急ぎたい!!』という考えがまさにそれです。
もう少し細かく考えて、『この時間帯に雨が降っても会社にいるから大丈夫』『この時間帯だと買い物中だし濡れると困るから傘を持とう』といった考え方ができると、予報を上手く活用した雨の対策を講じることができると思います。
自分の予定と天気予報を上手く組み合わせて考えるのが大切です。
まとめ
ここまで読んで、なんとなく「降水確率って言葉に騙されてたなあ」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
筆者も実はその口で、これまで何度も『なんでこの確率で降るんだ!?』『今日は降るはずじゃなかったのか?』などと思った事が沢山ありました。
……はい、実情を知るとそれは当たり前だったんですね。
こんな感じで、普段当たり前に聞き流してる事でも、実情を知ると意外と奥深いというか、知らず知らずのうちに間違えて認識していた、
という事は多いのかもしれませんね。
やはり調べるというのは大切です。
色々な事を調べていくにしたがって、今まで知りもしなかった事を沢山知る事ができるようになりました。
これからも色々な事を調べていきたいものです。
それでは皆様、どうかこれからは数字だけでなく自分の予定と組み合わせ、確率だけに踊らされないように気を付けましょうね!