気温が上がってくると、
様々な花が咲き、
庭先も華やかになってきますね。
でも、花が咲いてくると
どうしても寄ってくるのがハチ。
その中でも、特に『スズメバチ』は
誰もが恐れる、厄介な存在です。
今回はそんなスズメバチに
運悪く刺されてしまった際に、
咄嗟にできる応急処置の手順や
やってはいけない事など、
夏場に特にお役立ちな
スズメバチ対処法を紹介していきます。
スズメバチは確かに怖いですが、
恐れ過ぎてもよくないですので、
正しい知識を身に着け、
最悪の状況に備えるようにしましょう。
それでは早速参りましょう!!
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スズメバチに刺されたらどうすればいいの?応急処置の手順と方法は?
スズメバチに刺されたら、まずは冷静になって反応を見る
もし不幸にも
スズメバチに刺されたとしても、
まずは落ち着いて、刺された箇所を中心に、
全身がどのように変化したのかを調べましょう。
スズメバチは確かに危険な毒を持っている為、
二度以上刺されることによる免疫の過剰反応
『アナフィラキシー』が恐ろしいですが、
これは誰にでも起こるものではない為、
冷静に分析する必要があります。
もし全身に反応が見られたら即救急車を
スズメバチに刺され、
もし以下のような症状が出た場合は、
すぐに救急車を呼びましょう。
- 精神の不安定化やめまい
- 全身のかゆみやじんましん
- 唇や舌の痺れ
- 喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューと呼吸音が鳴る事)や呼吸困難。
- 虚脱及び意識喪失
このように、
刺された部位以外に対して
反応が広がるのは、
『アナフィラキシー』が発生している事を示します。
幸いにして一度目の発現で、
そのまま死に至る人は少ないとの事ですが、
すぐさま救急車を呼ぶ事で、
生存率を更に高める事が出来ます。
電話も困難な状態なら
ご家族でも傍にいる人でもいいので、
とにかく意識のあるうちに
救急車を呼ぶように頼みましょう。
もし刺された場所が腫れあがったり赤くなる程度なら一安心?
先述の『アナフィラキシー』は、
兆候として全身に反応が出る事が多いため、
刺された箇所のみが部分的に腫れあがる程度なら、
とりあえずは一安心と言えそうです。
このような場合の応急処置としては、
まず刺された部位を水で洗い流し、
患部から毒を絞り出します。
もし手元にリムーバー(吸引機)があるなら、
これを使う事でより有効に毒を吸い出せますので、
ぜひ、活用しましょう。
その後患部を濡れたタオルなどで冷やし、
部位にもよりますが高めに持ち上げる事で、
痛みや腫れを幾分和らげることが
できるとされています。
手足の場合は、
心臓に近い部分をゴムなどで縛る事で、
毒の周りをある程度遅くする事も出来ますが、
壊死を防ぐために、
数分おきに緩める必要がある事に留意してください。
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スズメバチに刺されたら病院に行くべき?おすすめは受診すること
まずは病院に行こう
スズメバチに刺された場合、
何より怖いのはアナフィラキシーですが、
部分的な炎症なども
日常的な生活をしていく上では不便ですし、
きちんと治すのであれば
病院でお薬をもらった方が、
適切に治療する事が出来るため、
部分的な反応で済んだとしても、
必ず病院で診てもらうようにしましょう。
受診するのは何科がいいのだろうか?
ハチに刺された場合は、
基本的には皮膚科が最適解であると言われています。
ただし、刺された人が子供だった場合は、
小児科を受診した方がいいようです。
もしそれらの科を扱っている病院が
近場になかったり、
休診していて診てもらえない場合、
外科や内科、大きな病院の救急外来などを受診しましょう。
ただし、病院によっては
受診できない事もありますので、
事前に電話連絡して確認し、
了解を取った上で受診しましょう。
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スズメバチに刺されたら薬は何をつける?薬局で市販されているの?
スズメバチの毒は抗ヒスタミン剤などである程度抑えられる
これは部分的な反応に対しての
応急処置ですが、
市販の薬を使う事によっても、
スズメバチの毒の反応を、
ある程度抑える事が可能です。
例えば抗ヒスタミン薬
(虫刺され薬など)を使う事で、
腫れやかゆみを和らげることができます。
また、市販の冷湿布を使う事でも
痛みをある程度抑えられます。
山などで緊急時に役立つ自己注射
緊急時に自分で注射する、
『エピペン』というアドレナリン自己注射薬があります。
これを使う事で、
一時的にアナフィラキシーの発現を抑え、
すぐに医者に診てもらえない状況でも、
生存率が大幅に上がると言われています。
以前は保険適用もなく高額でしたが、
近年では
アナフィラキシーによる既往歴がある人や、
アナフィラキシーが
発現する危険性が高い人に限り、
保険適応されるようになり、
比較的低価格で手に入るようになったようです。
自分で注射する為、
ある程度の慣れと落ち着きが必要になりますが、
一度スズメバチに刺された経験のある方や、
子供連れなどで山を訪れる方など、
緊急時の対策が欲しい場合に、
これがあると「持っててよかった」と
なる事もあるかも知れません。
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スズメバチに刺された際の注意点など
民間療法はあてにならない
ハチ刺されなどの場合、
家庭ごとの民間療法で対処しようとする方も
たまに見られますが、
多くの場合これらは何の科学的根拠もない、
ハチ毒の対処に成り得ないものばかりの為、
これを真に受けて
「これをやったから病院に行かなくてもいいわ」
と考えないようにしましょう。
特に有名な迷信として、
『ハチに刺されたらおしっこをかければいい』
というものがあります。
これは元々ハチの毒がアリの持つ
『蟻酸(ぎさん)』と
同じものであると誤解されていて、
『蟻酸にはアンモニアが効果的』という事から、
『おしっこに含まれるアンモニアでハチの毒も消せる』という、
迷信に発展したのです。
ですがおしっこに含まれるのは
『尿素』であって
『アンモニア』ではありませんし、
ハチの毒は蟻酸とも違う成分ですので、
おしっこをかけたところで何の意味もありません。
確かにアンモニアそのものは、
尿が空気に触れ時間が経過する事で発生はしますが、
時間が経った尿は
雑菌が繁殖していて別の意味で危険ですので、
間違ってもハチに刺された部位に
かけないようにしましょう。
過信こそが己の命を縮める
上の見出しで、
『全身反応が無ければとりあえず安心』
と紹介しましたが、
だからとそのまま放置する事で、
思わぬ結果に至るリスクもあります。
アナフィラキシーの症状は、
遅ければ数時間後に発現する事もあります。
例えば山登りの序盤に刺され、
すぐに反応がなかったからと放置した結果、
山頂付近で突然発現し、
山頂付近の為救急車もたどり着けず……
という状況もあったりします。
昼間になんともなかったからと
安心していたら、
夜になった途端症状が悪化して、
夜だから病院が閉まっていて、
という事も十分にあり得ます。
例え刺されたのが一度目だったとしても、
また、軽微な症状に収まっていたとしても、
必ず早い段階で病院で診てもらうようにしましょう。
アシナガバチでもアナフィラキシーは起きる
スズメバチほどの毒性ではありませんが、
実はアシナガバチに刺された場合も、
共通する毒の成分が多いことから、
二度目以降はアナフィラキシーの症状が
発現する恐れがあります。
例えば
アシナガバチに刺された事のある人が、
スズメバチに刺されると、累計して
同じ毒が二回体内に入ってきたことになる為、
アナフィラキシーが発現する事もあるのです。
この為、
過去にアシナガバチに刺された事のある方や、
そのハチが何であったのか
明確に思い出せない場合は、
スズメバチに刺された際には、
アナフィラキシーの危険性を想定し、
すぐに救急車を呼ぶようにしましょう。
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スズメバチに刺された際の対処法のまとめと感想などを
スズメバチ、怖いですよね。
刺されたら危険という情報は
誰でも知っているとは思いますが、
二度、三度と刺されるたびに
症状が悪化するアナフィラキシー。
これがとんでもなく怖い!
実は筆者は子供の頃、
アシナガバチに二度ほど刺されたことがあります。
なので、今回、
アシナガバチの毒でもスズメバチ同様、
アナフィラキシーになりうると
知ってしまったため、戦々恐々としています。
アシナガバチは比較的おとなしく、
変に巣をつついたり、
洗濯物についているのに気づかず
着てしまったりしなければ、
向こうから刺してくるという事はそうそうないのですが。
でも、今後一度でも、
アシナガバチや
スズメバチに刺されたらと思うと、
夏場の庭先に出るのが怖くなってしまいそうです。
野菜を作ってると、
蜂は益虫でもあるんですけどねぇ。
どうかこの記事を読んだ方が、
ハチに刺されてもパニックに陥らず、
適切にハチ毒の対処ができますように。
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