お米、特に玄米を台無しにしてしまう害虫をご存知でしょうか?
『ノシメマダラメイガ』と呼ばれるこの害虫は、お米に卵を産み付け、幼虫が糠や胚芽を食べる事で成長していきます。
放置しておけば折角の玄米が白米にされてしまったり、サナギになる際に吐く糸によって米同士がくっついてしまったりと、食欲減衰を招きかねない厄介な害虫なのです。
今回はそんな『ノシメマダラメイガ』の、写真へのリンクなどで実際に見てもらいながら、対処方法などを紹介していきたいと思います。
実際に見てみれば、もし発見した時も「これがあいつか!」と、即対処が可能ですから、どうぞご覧になっていってください。
それでは早速参りましょう!!
お米につくノシメマダラメイガは害虫!卵から蛾になるまでの画像は?!
ノシメマダラメイガは春ごろに孵化する
お米の害虫として有名なノシメマダラメイガですが、春から夏にかけての、気温が上がり湿度が高くなり始める時期にわきはじめます。
この虫は高湿度環境が特に好きなようで、特に梅雨時のような高温高湿度になると一斉に孵化し、成長を始めるのです。
さて、このノシメマダラメイガの卵ですが、どこに隠れているのかと言うと、実はお米に最初からついていたりします。
知らないと驚きの事実かも知れませんが、特別変わった事ではなく、どこ産のお米であっても、農薬などが残っていない限りは当たり前のようについているもので、存在している事によってむしろ「このお米は農薬が残っていない安全なもの」と、害虫対策を紹介するサイトなどでも説明しているくらいです。
ですので、卵が残っている事に関しては、それほど気にしなくて結構です。
実際に卵や幼虫、成虫はどんな姿をしているのだろうか?
実際の姿に関しては、画像を見てもらうのが一番だと思いますので、これに関して詳しく紹介しているサイトを紹介させていただきます。
『国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構』
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nfri/yakudachi/gaichu/zukan/28.html
こちらの紹介ページの下の方に、なんと成虫の姿と卵、幼虫、そしてサナギの状態まで張られています。
実際には幼虫で12ミリ、成虫でも羽を広げて15ミリもないとの事で、かなり小さい蛾です。
成虫は飛んでいれば見つける事も容易ですが、普段は飛び回ったりせず一か所にじっとしている事も多いので、木造の家などでは壁や柱の色と似た配色なこともあって、注意深く見ないと気付けない事もしばしば。
これに対し、幼虫は小さいながらも頻繁に動く為、お米を新聞紙などの上に広げると、その存在が一目瞭然。この為、この害虫を発見する時は、成虫の存在を確認するよりも、幼虫が動いているのを見て、という状況が特に多いようです。
気になる方は、米びつや保存容器のお米を一度、新聞紙の上で広げてご確認を!
ノシメマダラメイガの成虫は蛾!多くの卵を産み付ける厄介者?!
成虫のノシメマダラメイガは様々な場所に現れる
上の見出しで紹介したように、ノシメマダラメイガはお米に卵を産み付けるため、お米を保管している場所の近くで特に見つけやすい害虫です。
ですが、この害虫はお米にのみ発生するものではなく、小麦粉などの粉製品やパスタなどの小麦粉製品、チョコレートやクッキーなどの油分を豊富に含むお菓子類など、幼虫の餌となる食品の近くに卵を産み付けるため、お米そのものをきちんと保管していても、他の食品の保管が甘いとそちらにわいてしまう事も。
成虫は、一度に100個ほどの卵を産み付け、卵から孵化した幼虫は粉製品の紙袋やパスタのビニール袋など、ちょっとした包装程度なら食い破れてしまう顎の力を持つため、ふとした油断が元で小麦粉やパスタが幼虫だらけに、といった事態にも繋がりかねません。
これらの食品の保管には、お米同様注意するようにしましょう。
食害は全て幼虫によるもの
これだけ驚異的な存在であるノシメマダラメイガですが、成虫は米やパスタなどを食害する事は無く、一週間程度で寿命を迎えます。
この為、この虫による食害は全て幼虫時のもの。
そうはいっても卵を産み付けられてはたまらないので、「成虫なら食べないからいいか」とは思わず、きちんと対処するようにするといいでしょう。
ノシメマダラメイガ一匹でも発見したら駆除?!効果的な予防方法は?!
孵化する前にするべき予防
ノシメマダラメイガの対処法として特に大切なのは、『そもそも孵化させない事』これに尽きます。
まず、15度以下の低温環境では孵化・生育できません。
また、低湿度も苦手な様で、室温が25度程度でも、湿度40%程度ではほとんど生育できないようです。
この為、米びつや保管容器内部の温度と湿度を、できるだけ低く調整する事が出来れば、この害虫の発生を防ぐことが可能になるのです。
温度に関しては冷蔵庫などを利用したり、米びつであれば温度設定で低くすれば問題ないでしょう。
保管容器に入れて保存する場合も、湿度が高くなるような場所に置かない・長期間の保管は避けるなど、対策をきちんとしておけば何の怖いこともありません。
孵化してしまったらどうするか
もしお米を見て幼虫を発見したなら、既に大量の幼虫が同様に孵化している可能性もあります。
このような状況になるという事は、お米を保管する場所が、この害虫が生育可能な環境になってしまっているという事です。
まず、上の項目を参考に環境を整え直す事から始めましょう。
また、既に発生してしまっているお米も、幼虫を取り除く事で食用する事は可能です。
この幼虫は軽く水に浮く為、水洗いの際に浮いてきたものを取り除く、目視でピンセットなどで取り除く、直射日光にならない程度の明るい場所で、新聞紙やシートの上などにお米を広げて逃げ出すのを待つ、などの方法でお米から取り除く事は可能です。
成虫は一匹であっても見逃さない
一度に100以上の卵を産み付けるノシメマダラメイガの成虫は、見かけたなら即座に駆除すべき存在です。
とても小さく、それそのものは何も食べないとはいえ、生かしておけば大量の卵を残し、それが食品に対し害を与えます。
とても弱い生き物なので、殺虫剤は勿論の事、適当にハエ叩きや手で叩き落としたりするだけで駆除が可能です。
虫を殺すのはいい気分がしないかもしれませんが、放置してもいい事は何一つないので、心を鬼にして駆除するようにしましょう。
発見を容易にするトラップも存在する
食品工場などでは以前から活用されていたようですが、近年ではこの蛾の存在を早期発見する為に使われる『性フェロモントラップ』が市販されており、一般家庭などでも導入が可能になっています。
これを用いる事で、普段存在に気づけないような場所に隠れた成虫を見つけ出し、早期に対処する、という事も可能ですので、心配な様ならこういったものを使ってみるのも手かもしれません。
ノシメマダラメイガについて調べた感想などを
筆者はお米の害虫と言うと、『コクゾウムシ』という、小さいカブトムシみたいな方を先に思い浮かべるのですが、今回はそれとは別の害虫の紹介となりました。
ものとしては成虫も幼虫もとても小さな虫なので、動かなければそれと気づけないのがネックなんですよね。
確かに家の中にこういう蛾が居る事はあって、「いつの間にかわいたなあ」と思うのですが、『外から侵入してきたのかと思ったら実は米びつからでした』というのは、知った時には中々にホラーな気分でした。
ただ、玄米などについていても精米した時点で卵は取り除かれる為、定期的に精米するだとか、買ったらすぐに食べるような習慣をつけておくと、この虫の被害にあう事は避けられるんじゃないかなと思います。
長期保存すると味が落ちるので、すぐに食べられる分だけ買う、というのが正解なんでしょうね。ただ、農家や実家から送られるような方だとそうともいかず……
中々に悩ましい問題だと思います。
筆者の家もそんな感じなので、夏が怖いです。
今のうちに少しでも涼しい場所に退避させなくては……
どうかこの記事を読んだ方が、正しく害虫の対処をし、食害などにあわずに済みますように。